樹脂
合成樹脂
合成樹脂は、主に石油を原料として製造される。各種日用品や工業分野、医療分野の製品などの原材料となる。製品の使用目的や用途に合わせた特性・性能を有する樹脂の合成が可能である。合成樹脂は、概ね、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂に分類できる
■熱硬化性樹脂
加熱すると重合を起こして高分子の網目構造を形成し、硬化して元に戻らなくなる樹脂のこと。
フェノール樹脂 (PF)、エポキシ樹脂(EP)、メラミン樹脂(MF)、ユリア樹脂(UF)、不飽和ポリエステル樹脂 (UP)、アルキド樹脂、ポリウレタン(PUR)、熱硬化性ポリイミド(PI)など
■熱可塑性樹脂
熱可塑性樹脂 は、ガラス転移温度または融点まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形できる樹脂のこと。
汎用プラスチック:オレフィン系樹脂(ポリエチレン (PE)、ポリプロピレン (PP))、ポリ塩化ビニル (PVC)、ポリスチレン (PS)、ポリ酢酸ビニル (PVAc)、ポリウレタン(PUR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂 (PMMA)など
エンジニアリング・プラスチック:ポリアミド (PA)、ナイロン、ポリアセタール (POM)、ポリカーボネート (PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE、変性PPE、PPO)、ポリエチレンテレフタレート (PET)、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート (GF-PET)、ポリブチレンテレフタレート (PBT)、環状ポリオレフィン (COP)など
スーパーエンジニアリングプラスチック
ポリフェニレンスルファイド (PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリサルフォン (PSF)、
ポリエーテルサルフォン (PES)(Polyethersulfone)、非晶ポリアリレート (PAR)、液晶ポリマー (LCP)、ポリエーテルエーテルケトン (PEEK)、熱可塑性ポリイミド (PI)、ポリアミドイミド (PAI)など。
エマルジョン
エマルションまたはエマルジョンと呼ばれる。互いに混じり合わない2種の液体で、一方が他の液体中に微粒子状で分散しているもの。水中に油滴の分散する牛乳、油中に水滴の分散するバターなど。乳濁液。
アクリル樹脂
代表的なプラスチックの一種。アクリル酸・メタクリル酸、およびそれらの誘導体を重合して作る合成樹脂の総称。透明度が高く硬いが、すり傷がつきやすい欠点がある。アクリル酸エステルの共重合体は塗料,接着剤などに使用される。
ウレタン樹脂
ポリウレタンとも言う。イソシアネート成分とアルコール成分を混ぜ合わせることでできるウレタン結合。
モノマーを共重合させた高分子化合物のこと。混ぜ合わせる内容で、ゴムのように柔らかい硬化物からプラスチックのように硬質な物まで作ることができる。低温特性に優れる、耐摩耗性、耐水性に優れる特徴を持つ。
エポキシ樹脂
エポキシ樹脂は分子内にエポキシ基を有する化合物の総称。使用目的に応じて硬化剤との組み合わせを変える事で接着性や耐熱性などの様々な物性を持つことが可能で、硬化速度の調整や耐久性、水中での硬化など多岐に渡る工業的な有用性があり、接着剤のみならず塗料、電子部品、複合素材、土木建築等の幅広い分野で使用されている。
オレフィン系樹脂
二重結合を1箇もった鎖状炭化水素の総称で、結晶高分子からなるため結晶化度により物性が変化する。この系統の樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレンがある。一般的に比重が小さく、耐薬品性が良く、射出流動性も優れているが、成形収縮率が大きく塗装、接着、ホットスタンプなどの二次加工が劣る。
スチレン・アクリル酸共重合体
アクリルとスチレンを共重合することでできる樹脂で、透明性、高屈折率および低コスト等の長所があり、塗料やコーティング剤用のバインダーとして使用されている。
フェノール樹脂
フェノール類とアルデヒド類との縮重合により合成される熱硬化性樹脂。絶縁性・耐水性・耐薬品性などにすぐれ、電気部品・接着剤・積層板・塗料などに広く使用される。初めて作られた合成樹脂。石炭酸樹脂。
ポリアミド樹脂
酸とアミンが反応してできるアミド結合(たんぱく質と同じ結合)を持つ高分子化合物の総称のことで、一般にナイロンとよばれている。
ポリエステル樹脂
多価アルコールとテレフタル酸を共重合させて得られたエステルで、一般式は(-CO-R-CO-O-R'-0-)で示される化合物である。特徴としては高強度、軽量性、加工性、耐熱性、耐候性、電気絶縁性、耐薬品性、耐加水分解性、鋳型への流動性など広い範囲にわたって優れている。
中でも最も多く生産されているものはテレフタル酸とエチレングリコールから製造されるポリエチレンテレフタラート (PET) である。
メラミン樹脂
メラミンとホルムアルデヒドとの縮合によって得られる熱硬化性樹脂。メラミンにホルムアルデヒドが作用すると,まずメチロールメラミンが生じ,さらに加熱すると脱水反応により不溶性の樹脂となる。耐熱性,透明性がよく,耐薬品性,電気的性質もすぐれており,成形品,化粧板などに用いられている。
ユリア樹脂
尿素樹脂ともいい,尿素とホルムアルデヒドとの縮合によって得られる熱硬化性樹脂。無色透明で着色も簡単にできるが,水に弱い。尿素とホルムアルデヒド水溶液を混合して得られる初期重合物に,パルプなどの充填剤を加えて加熱し,固化して樹脂として使用する。たとえば,化粧品,薬品の容器のキャップ,ボタンなど。また,初期縮合物を,濃縮して木材接着剤に,アルキド樹脂と混ぜて塗料にも使う。
熱可塑性樹脂
加熱すると軟化して可塑性をもち,冷却すると固化する樹脂の総称。熱を加えることにより容易に成形できるが,耐熱性の十分でないものが多い。ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリ塩化ビニルなどビニル系ポリマー,ポリエステル,ポリアミドなどの縮合系ポリマーなどの線状ポリマーがこれに属する。